当社グループは、1997年の営業開始以来29年間、黒字経営を継続しています。
2025年5月期は前年度比減収減益であったものの2026年5月期はV字回復を遂げるべく、確固たる経営理念のもと、当該目標の達成と持続的な企業価値の向上に取り組んでいきます。
経営理念・ビジョン
当社グループは「我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与すること」を経営理念に、創業以来、ITサービスを用い社業を通じて社会に貢献することを目指しています。
「世の中や社会に役立つ企業であり続ける」ことを存在意義とし、コンテンツプロバイダとしてコンシューマ向けに音声やゲームなどのコンテンツを開発・提供してきた事業は、「世の中をもっと便利に、楽しく、快適に」を使命に、お客様のご要望にお応えする形で法人向けサービスへと広がり、現在もサービス領域を拡大し続けています。
当社グループの強みは自社コンテンツで培ったノウハウであり、社会の要請に応答するサービス企画力、ゼロからシステムを作り上げる開発力(スクラッチ開発)、計画から開発、運用、ユーザーサポートまでシステムを一括開発するトータルソリューション提供力、そしてこれらを踏まえ顧客課題を総合的に解決に導くコンサルティング力です。
経営の真の目的は社員全員の物心共の幸せを叶えることであり、社員一人ひとりの衆知を集めた全員経営でこれまで培ってきたノウハウを活かして困難と思える事にあえて挑戦し、新たな価値を生み出し続けていくことが会社の発展と社会の進展に繋がるとの考えのもと、事業を推進しています。
経営戦略
当社を取り巻く経営環境は、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向による不確実性が極めて高く、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものの、生成AIの発展によるユースケースの拡大や国内生産年齢人口減少に伴う国内市場低下補填のためのIT活用等により、IT市場は一般消費者向けサービス及び法人向けサービスともに拡大すると予想しています。
このような状況下、多角的に展開する当社事業の中でも2026年5月期は特に、自社で保有する権利や資産を活かしたサービスを提供するクリエーション事業における一般消費者向け「コンテンツサービス」、法人向け「ビジネスサポートサービス」のキッティング支援、ITソリューションを通じ顧客に新しい価値を提供するソリューション事業における、受託開発・運用を主な業務とする「システム開発サービス」の3点を重要項目とし、売上高53億3,000万円(前年度比20.0%増)、経常利益2億5,000万円(前年度比179.7%増)を目指します。
コンテンツプロバイダとして業を成してきた当社は、IT黎明期から各種プラットフォームでコンテンツの提供を行っています。
通信デバイスがフューチャーフォンであった時代から通信キャリアのプラットフォームで提供しているコンテンツ(キャリア定額コンテンツ)は現在も基盤事業の一つであり、既存タイトルの充実化と新規タイトルの投入による当社サービスのシェア拡大を図る他、法人向けサービスでの企画力・サービス力を活かし、前期から通信キャリアのユーザー継続利用及び新規獲得のための支援策も行っています(売上の一部はソリューション事業にて計上)。
キャリア定額コンテンツは多方面から通信キャリアの支援を行い、事業をグロースさせていきます。
ストアアプリ等、通信キャリア以外のプラットフォームで提供しているコンテンツ(月額コンテンツ)は急速な社会変容と価値の多層化に対応するため、徹底した市場分析とマーケティングによるサービスの拡充と最適化したプロモーションを推進しています。
品質の改善・改良を重ねてきたコンテンツの一部はその品質が認められ、法人での採用が拡大。その実績をもとに、更なるアライアンスの創出を図ります。
前期に引き続き積極的な広告投資とバリュー向上で増収トレンドを継続させていきます。
従来手作業で行われていたキッティング(初期設定)を独自開発のRPAツール『Kitting-One』により自動で行えるようにし、キッティングの普及と業界の醸成に貢献し、当社グループ事業も牽引してきた同サービス。DX推進に向けた法人のIT投資に伴う継続的な需要を背景に堅調に推移している他、人手不足問題低減に向けたデジタル活用のための消費者向け法人取引(BtoBtoC)が新たに拡大しています。業務効率化のみならず顧客企業の付加価値向上に向け、当社グループが強みとするスクラッチ開発力を活かしてオーダーメイド型のカスタムツールを提供することで、販路開拓を図ります。
クリエーション事業と同規模にまで拡大したソリューション事業の主力サービス。自社コンテンツで培ったスクラッチ開発力やトータルソリューション提供力等を活かし、業務システムやIoTシステム、セキュリティシステムなど大規模案件を多く手掛けることで、開発後の運用保守やシステム更新・追加開発を獲得してクリエーション事業のサブスクリプションサービスと同様に積み上げ式のビジネス構造を構築し、安定した事業運営を実現してきました。
ラボ型開発を導入し開発の円滑化と収益性の向上を図ると同時に、企業の様々なニーズの応答と当社事業の安定性を叶えるため、柔軟な開発体制を確立。前期は受託開発等において復調の遅れがあったものの、企業の高いIT投資意欲を背景に引き続き積極的な顧客開拓・深耕を図ります。
持続的な成長を支える体制の構築・強化
企業の持続的な成長を支える源泉は「人」の力である、との考えのもと、従業員の持つ可能性を最大限に引き出すための人材育成に力を入れるとともに、多様な人材が活躍できる環境の整備を促進しています。
人材育成においては階層別・職種別研修制度を導入。社内外の研修機会を定期的に設けて実践的なスキルやマネジメント力を習得する他、代表自らが講師を務める『植田塾』を開催し、次世代リーダーの育成を図っています。
また、社員一人ひとりが専門性を高め高付加価値な人材へ成長することが企業の成長力を高める「個人家業」の思想のもと、社員の主体的な学びを後押しする「通信教育受講制度」及び「資格取得報奨金制度」も設置しています。
環境整備においては、多様な働き方を支援するため「育児休業制度」や「介護休業制度」の拡充に加え「早朝勤務制度」や「テレワーク制度」も構築し、柔軟な働き方と労働生産性向上を促進。これらの施策に加え、役員と1対1で話せる場や懇談会などを開催することで、更なる環境整備や社員の士気向上にも努めています。
持続的な成長のためには健全なコーポレート・ガバナンス体制が必要不可欠と考え、取締役会の体制強化と実効性の向上も継続的に行っています。
スキル・マトリックスの通り取締役会全体で備えるべき項目を8つ設け、多様性を叶える役員構成を組成しています。引き続き経営体制の強化を推し進めるとともに取締役会に多様な視点を取り入れることで、持続的な成長と適切な監督機能を発揮できる体制を目指します。
また、この他にリスクの管理体制の強化もコーポレート・ガバナンスにおける重要な課題と捉え、引き続き適切な体制の構築に努めていきます。
株主の皆様への利益還元を経営の重要事項の一つと捉え、将来の積極的な事業展開と経営環境の変化を勘案し、安定配当を基本として中長期的な観点で株主還元を実施しています。
2026年5月期の配当につきましては3.0円(配当性向76.4%)を予定しています。